先日、『ハッピー・デス・デイ』という洋画がAmazonPrime入りしたということでTwitterの映画クラスタが盛り上がりを見せていました。
全く聞いたことのないタイトルだったのですが、みんな大好きループもので評価も高いということで早速視聴。
せっかくなので紹介がてらレビューもしてみます。
『ハッピー・デス・デイ』のポスター。ザ・ホラー映画って感じですが恐怖要素は薄めなので安心してください。
主人公が謎の殺人鬼に殺されるたびに時間が巻き戻るという、ループ系のサスペンス映画です。
主人公のツリーはちょっと、いや、かなり性格がネジ曲がった華の女子大生。
イイ男を捕まえることしか頭になく、大学の教授とも関係を持っています。寮で同室の地味系女子には当たりがキツイなど、典型的な○ッチ。
そんなツリーが自身の誕生日パーティーに向かう途中、謎のマスク男に狙われ命を落としてしまうのですが……。
次の瞬間、目を開けるとそこは誕生日当日の朝。
かくしてツリーは終わりのない死のバースデーパーティーに招かれてしまいます。
犯人の正体を突き止め、死のループから抜け出すことが出来るのか……というのが本筋。
王道のループものですが、この作品の魅力は主人公のツリーにつまっています。
ループものの主人公というと、その突飛な状況に対処できるだけの柔軟かつ理性的で高い知性を持ったキャラが多いイメージ。
そして殺人鬼が出てくるサスペンス映画において、ツリーのような○ッチはむしろ序盤に殺されるのが定番ですよね。
この感情的な尻軽女がループ×サスペンス映画の主人公というのは二重の意味で新鮮。
そして、おバカなツリーが死を繰り返すうち、自身の境遇と向き合い自らの行いを省みて成長していく過程も素晴らしく、まさに笑いあり涙ありのエンターテイメント映画に仕上がっています。
欧米のキャンパスライフ×過去改変ものということで、個人的には『ライフイズストレンジ』というゲームを彷彿とさせる内容でした。
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以下はネタバレ&気になった点についてです。
雑すぎるミスリード
中盤、主人公が「連続殺人犯が入院しているというニュース」から真犯人を断定する展開があるのですが、なぜその考えに至ったのかがわからない。
そもそも主人公がその殺人犯に狙われる理由が一切ありません。自室に閉じこもる世界線でも殺されたので明らかに身内の犯行なはず。
どう考えてもミスリードというか主人公の勘違いなんですが、このくだりが結構長い。
観ていて「えっ?このままコイツ倒して終わりなの?色々整合性取れないけど?」と、別の意味でハラハラしていました。
結局、真犯人は同居人のロリで伏線や整合性もしっかりしていたんですが、それだけにミスリードの雑さが目立ってしまったように思えます。
個人的に一番納得し難いのが、主人公が心を入れ替え、今まで邪険にしていた人たちに優しくしたり父親と和解する感動的なシーンもリセットされてしまったこと。
もちろん、主人公の心の変化はそのままですしラストシーンで父親と連絡をとっていることから再度和解のやり取りを交わしたのでしょうが、視聴者側が見たあの一連のシーンがなかったことになっているのはちょっと残念です。
投げっぱなしの設定
あと、いくつかまともに回収されないままだった設定があるのも気になります。
「なぜループするようになったのか?」というのは個人的にはどうでもいいんですけどね。これに関してはもっともらしいこと言うか言わないかの違いなので。
ただ「死ぬ(ループする)ごとに身体が蝕まれている」っていう設定はどうなったんでしょうね?
ループから脱したことでリセット?
じゃないとまったくハッピーエンドとは思えないんですけど……。