アカデミー作品賞を受賞した韓国映画『パラサイト』。
なんとなく作品賞取りそうな予感がしていたので授賞式直前に観てきました。
個人的にはかなり楽しめました。貧富の差がテーマということですがコメディやサスペンス要素も強くて娯楽映画としても観れます。
テーマが似通った『ジョーカー』と比較されることが多いですが、大分趣きが違うタイプでしたね。
さて、内容の細かい考察は詳しい方に任せるとして、今回はこの映画の好きなシーンを個人的に語りたいと思います。
主人不在のパク邸で酒盛りするシーン
パク一家がキャンプで家を空けたのをいいことに豪邸で好き勝手酒盛りを始めるキム一家。
話の流れが大きく変化するターニングポイントですが、ここでのやりとりがこの作品のテーマを表しているような気がして印象的でした。
というのも、キム一家の騒ぎ方が半地下の時と一切変わらないんですよね。
広いリビングに大きなテーブル、立派なソファーがあるというのに、横に連なって地べたに座るキム一家。スペースの使い方がいつもと同じです。
さらにつまみをテーブルに食い散らかし、ジャーキーが犬用のものだと気づかない。
貧乏人はどうあっても貧乏人。その”臭い”は隠せないというのがうまく表れている”象徴的”なシーンだと思いました。
長女ギジョンが便座でタバコを吸うシーン
話や内容ではなく「画」として印象的だったのが、キム家の長女ギジョンが便座の上に座ってタバコを吸うカットです。
実家の半地下が大幅に浸水、トイレからは汚水が逆噴射しているという最悪の状況。
そんな中、ギジョンは便器のフタの上にヤンキー座りして汚水を抑えつつ隠しておいたタバコに火をつけます。
当然、フタで抑えたところで逆流する汚水は抑えきれず、隙間から黒い水が漏れ続けています。
そんなこと知ったこっちゃないのか、もはや抵抗は無駄と達観したのか、むしろ落ち着いた様子でタバコを吹かすギジョン。
なんでかは言葉で説明できないんですけど、このシーンもうめっちゃキマってるんですよね。
最高に汚いんだけど最高にカッコいい。
私がミュージシャンだったとしてら是非あの画をCDジャケットに使わせてほしい。
ていうかこのシーンだけでなくギジョン役のパク・ソダムの演技が全編通して良いですね。佇まいがいちいちキマってる。
まとめ
内容も面白かったんですが画作りも上手いという印象。