『マジック・ザ・ギャザリング』のルールを私自身も学びながら紹介するMTGメモ。
今回は『ゼンディカーの夜明け』で登場する「モードを持つ両面カード」について書いていきます。
今回追加された両面カードは「オモテが呪文・裏が土地」の呪文土地と、「どちらも土地」の両面土地の2種類。
従来の「条件を満たした時に裏返る」タイプの両面カードとは異なり、オモテか裏か選んでプレイできるのが最大の特徴となっています。
しかし、新しいカードは正しいルールが曖昧になりがち。
両面カードには「戦場以外に存在するときオモテ面の特性のみで扱う」という共通のルールがあるので、裏面の土地に関して制限があることを必ず覚えておくべきだと思います。
特に『自然の怒りのタイタン、ウーロ』に代表される「手札から土地を戦場に出す」効果では裏面土地を出せない、というのはとても重要です。
両面カードの表裏は正式なルールだとどちらもオモテであり、『第1面』『第2面』と定義されていますが、この記事ではオモテと裏と表記していきます。また、『呪文土地』と『両面土地』は正式な呼称ではありません。
モードを持つ両面カードについて
どちらの面でプレイするか選べる
『ゼンディカーの夜明け』で登場した両面カードはこれまでになかった「モードを持つ両面カード」です。
「モードを持つ」とは、カードをプレイする際、オモテか裏のどちらでプレイするか選べる、という意味。(参考:『ゼンディカーの夜明け』のメカニズム)
「プレイする」とは:呪文であれば、それを唱えること。土地であれば、自分のメインフェイズ、スタックが空の状態の時に土地を戦場に出す……つまり、普段やっている土地を出すという行為のこと。「土地をプレイする」ことと「土地を戦場に出す」効果は、やってることが同じでも処理は違うので注意。
呪文土地なら序盤は土地・中盤以降は呪文と使いわけができますし、両面土地は状況に合わせてどちらの色で出すか選べると、非常に汎用性の高いカードです。
なお、カードのプレイが適正かどうかは選んだモードの特性のみを見ます。
すでに土地をプレイしたターンでも呪文土地の呪文側は唱えることはできますし、裏面の土地は土地をプレイできる状況に限り戦場に出すことが可能です。
戦場以外の領域ではオモテのカードとして扱う
両面カードの共通ルールに「戦場以外の領域に存在する時、オモテ面の特性のみを持つ」というものがあります。
711.4a 両面カードがゲーム外あるいは戦場以外にある、または戦場にあって第1面がオモテになっている場合、第1面の特性のみを持つ。
マジック総合ルール(和訳 20200703.2 版)より引用
例えば、「オモテはインスタント呪文・裏は土地」の呪文土地が手札やライブラリ、墓地などに存在するときはインスタント呪文として扱い土地の特性は持たない、ということです。
もちろん、戦場にいる間は表向きになっている面の特性のみを持ちます。
紙の場合は裏面で出した両面カードが戦場を離れるたびにオモテに戻す必要があるので注意。
土地として出すときの注意点
裏面が土地である『モードを持つ両面カード』を使う上で、この「戦場以外ではオモテのカードとして扱う」ルールを把握していないとプレイングに齟齬が産まれる可能性があります。
裏面土地の扱いについて、勘違いしがちな事例をいくつかまとめてみました。
土地を戦場に出す効果で裏面土地は出せない
『自然の怒りのタイタン、ウーロ』や『成長のらせん』の「手札から土地・カードを戦場に出せる」効果では、呪文土地や両面土地の裏面にある土地を出すことは出来ません。
呪文土地は手札に存在する限り土地・カードとは見なされず、オモテ側の呪文の特性のみを持ちます。
また、直接戦場に出す効果は『プレイ』を経由しないので、裏面の土地を選択するということは出来ない……というルールです。
両面土地についてはオモテ面で出すことは可能。ただし、こちらも同様に『プレイ』していないのでモードを選択できず、裏側の土地で出すことは不可能。
この運用はライブラリ・墓地から戦場に出す効果の場合も同様。
墓地から唱える効果で土地を出せない
「墓地にあるインスタント呪文を唱えてもよい」などの効果で、オモテがインスタント・裏が土地の呪文土地を土地として唱えて戦場に出す、といったことは出来ません。
土地は唱えるものではないので当然と言えば当然ですね。
同様に、「墓地の土地をプレイできる」効果で呪文土地のオモテ側を唱えることは出来ません。
土地サーチで呪文土地は探せない
呪文土地はライブラリから土地を手札に加える効果で選ぶことはできません。
これは、ライブラリに存在する呪文土地はオモテ面の呪文として扱われるためです。
逆に、クリーチャーをサーチする効果で「オモテがクリーチャー・裏が土地」の両面カードを手札に加えることは可能です。
墓地から土地回収で呪文土地は選べない
墓地から土地カードを回収する効果で呪文土地を選ぶことは出来ません。
ライブラリと同様、墓地でも呪文土地はオモテ面の呪文として扱われるからです。
なお、『古の緑守り』のような墓地の土地がプレイ可能になる効果を用いれば、呪文土地の裏面を選択してプレイすることで土地として戦場に出すことが出来ます。
ハンデスで呪文土地を選べる
『強迫』や『思考囲い』など、一般的なハンデス呪文は土地を選ぶことは出来ません。
しかし、手札では呪文として扱われる呪文土地はこれらのハンデスで捨てさせることが出来てしまいます。
呪文土地を土地として換算しすぎているとマナスクリューする可能性があるかも知れません。
ブリンクするとオモテで帰ってくる
一時的に追放してから戦場に戻す、いわゆるブリンク効果を両面カードに使った場合、必ずオモテ面で戻ってきます。
そのため、オモテがパーマネントでない呪文土地が土地として戦場に出ているとき、その土地がブリンクされると、オモテ面では戦場に出ることが出来ずに追放領域に留まります。
また、裏面で戦場に出した両面土地がブリンクされるとオモテ面で帰ってきます。
まとめ
「モードを持つ両面カード」の注意点をまとめると以下の通りです。
- モードを持つ両面カードはプレイする際にどちらの面でプレイするか選ぶ。
- 両面カードが戦場・スタック以外の領域に存在するとき、そのカードはオモテ面のみの特性を持つ。
以上2点により、モードを持つ両面カードはプレイを通さない限り裏面で戦場に出ることはない。
例えば、土地を戦場に出す効果で裏面の土地を出したり、土地のサーチ効果でオモテが呪文・裏が土地の両面カードを選ぶ、といったことは不可能。