『マジック・ザ・ギャザリング』のルールを私自身も学びながら紹介するMTGメモ。
今回は『接死』と『トランプル』、2つのキーワード能力を持っているクリーチャーが攻撃した時について書いていきたいと思います。
では早速問題です。
「接死とトランプルを持つ4/4のクリーチャー」でアタックしたところ「1/3のバニラクリーチャー」にブロックされた。この時、対戦相手に与えられる最大ダメージはいくつでしょうか?
答えは「3点」。
なぜそうなるのか、ルールを掘り下げていきます。
接死・トランプルの解説
まずはそれぞれの効果を簡単におさらいします。
接死について
接死は「接死を持つクリーチャーから0点でないダメージを与えられたクリーチャーは破壊される」という能力です。
そして、接死持ちのクリーチャーが他のクリーチャーと戦闘する時、相手クリーチャーへの致死ダメージはタフネスの値に関係なく1点と判定されます。
致死ダメージとはタフネス以上のダメージのこと。致死ダメージを受けたクリーチャーは死亡する。
複数のクリーチャーにブロックされた場合は各クリーチャーに割り振る必要のあるダメージは1点のみ。
つまり、接死持ちの攻撃クリーチャーはパワーに等しい数のブロック・クリーチャーを破壊することが可能です。
トランプルについて
トランプルは「トランプルを持つ攻撃クリーチャーは、すべてのブロック・クリーチャーに致死ダメージを割り振った上で、余剰ダメージを対戦相手(もしくはプレインズウォーカー)に割り振ることができる」という能力です。
要するに「トランプルを持つ攻撃クリーチャーのパワー」から「ブロック・クリーチャーのタフネス合計値」を引いた値が対戦相手に貫通します。
接死+トランプルの効果
それでは、接死とトランプルそれぞれの効果を踏まえた上で、この2つを両方持った攻撃クリーチャーがブロックされた場合にどうなるのか考えてみましょう。
ブロック・クリーチャーが1体の場合
ブロック・クリーチャーのタフネスは3ですが、攻撃クリーチャーが接死を持っていることから、タフネスに関係なく1点以上の戦闘ダメージを割り振れば致死ダメージを与えたと判断されます。
そのため、ブロック・クリーチャーに割り振らなければならない最低ダメージ量は1点。最大3点を対戦相手に割り振ることが可能です。
ブロック・クリーチャーが複数の場合
ブロック・クリーチャーが複数いる場合も考え方は変わりません。
各クリーチャーにパワーから1点ずつ割り振り、余った値が対戦相手のダメージへ。
つまり、接死+トランプル持ちの攻撃クリーチャーが対戦相手に与えられるダメージは、ブロック・クリーチャーの質に関係なく「攻撃クリーチャーのパワー」から「ブロック・クリーチャーの数」を引いた値になります。
ブロック・クリーチャーが破壊不能を持っている場合
接死の致死ダメージ1点ルールは『破壊不能』を持った相手でも同様。
ブロック・クリーチャーが『破壊不能』を持っていたとしても、1点の戦闘ダメージを割り振れば接死のルールにより致死ダメージと扱われます。
702.2c 0点でない戦闘ダメージが接死を持つ発生源によってクリーチャーに割り振られた場合、戦闘ダメージの割り振りが適正かどうかを判断する上で、それはそのクリーチャーのタフネスによらず致死ダメージとして扱われる。
マジック総合ルール(和訳 20200703.2 版)
よって、接死+トランプルの攻撃クリーチャーが1体の破壊不能クリーチャーにブロックされた時、対戦相手に与えられるダメージは攻撃クリーチャーのパワーから1を引いた値になります。
もちろん、接死の効果では破壊不能クリーチャーを破壊できませんが、ダメージについてはしっかり貫通するというのが重要なポイント。
これはブロック・クリーチャーが対応する『プロテクション』やダメージを軽減する能力を持っている場合も同じ。
まとめ
- 接死+トランプルの攻撃クリーチャーが対戦相手に与えるダメージは「自身のパワー」から「ブロックしているクリーチャー」の数を引いた値になる。
- これはブロック・クリーチャーのタフネスが高かったり、破壊不能やプロテクションを持っていたとしても変わらない。
この接死トランプル持ちのダメージ計算はMTGに慣れたプレイヤーでも見落としがちです。まだ生き残れるつもりでブロックしたら敗北……というミスをよく見かけるので注意しましょう。
ちなみに、MTG開発者の1人であるマーク・ローズウォーター氏はコラムにて、「接死とトランプルを両方持つクリーチャーを出すことはない」と語っています。
Making Magic -マジック開発秘話-「お電話ありがとうございます」
それだけ接死とトランプルの組み合わせは強いということですね。