先制攻撃の効果を解説【MTGメモ】

mtg 先制攻撃を解説 MTG

『マジック・ザ・ギャザリング』のルールを私自身も学びながら紹介するMTGメモ。

今回はキーワード能力『先制攻撃』について書いていきたいと思います。

名前の通り先制して攻撃する能力ではありますが、内部的な処理は少し複雑になっていますので、詳しく知っておくといざというとき役立つはずです。

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先制攻撃とは

MTG公式サイトの『マジック総合ルール』から先制攻撃の定義を引用しました。

702.7. 先制攻撃/First Strike

702.7a 先制攻撃は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。

702.7b 1体以上の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃や二段攻撃(rule 702.4 参照)を持っていた場合、そのステップに戦闘ダメージを与えるのは先制攻撃か二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後に、戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが発生する。このステップに戦闘ダメージを割り振るのは、最初の戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃も二段攻撃も持っていなかったか、この時点で二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後で、戦闘終了ステップに移行する。

702.7c 第1戦闘ダメージ・ステップの戦闘ダメージが与えられた後で先制攻撃を持たないクリーチャーに先制攻撃を持たせたとしても、第2戦闘ダメージ・ステップに戦闘ダメージを与えなくすることはできない。第1戦闘ダメージ・ステップの戦闘ダメージを与えた後で先制攻撃を持つクリーチャーから先制攻撃を取り除いたとしても、第2戦闘ダメージ・ステップに戦闘ダメージを与えることはできない(二段攻撃を持つ場合を除く)。

702.7d 1体のクリーチャーに複数の先制攻撃があっても効果は変わらない。

マジック総合ルール(和訳 20200703.2 版)より引用

先制攻撃の効果

次に先制攻撃の具体的な効果について説明していきます。

通常の戦闘の場合

通常、クリーチャー同士の戦闘ではダメージのやり取りが同時に行われます。

同じタイミングで戦闘ダメージが割り振られ、致死ダメージを受けたクリーチャーは破壊……というのが一般的な流れ。

先制攻撃の戦闘の場合

先制攻撃を持ったクリーチャーの戦闘ダメージは他のクリーチャーより先に処理されます。

その後、先制攻撃を持っていないクリーチャーの戦闘ダメージが処理されますが、先制攻撃によって致死ダメージを受けたクリーチャーはその時点で破壊。当然、相手クリーチャーにダメージを与えることが出来ません。

つまり、先制攻撃を持つクリーチャーは、自身のパワー以下のタフネスを持つクリーチャーであればノーリスクで倒すことが可能です。

先制攻撃を持つ攻撃クリーチャーが複数ブロックされた場合

先制攻撃を持つ攻撃クリーチャーが複数のクリーチャーにブロックされた場合、まず一方的に攻撃クリーチャーのダメージが割り振られます。

その後、生存しているブロック・クリーチャーがいるなら攻撃が発生。

ブロック側からすると、「ブロック・クリーチャーのタフネスの総数」が「攻撃クリーチャーのパワー」を上回っていないと攻撃することすら出来ません。

先制攻撃を持つクリーチャーで複数ブロックした場合

先制攻撃の効果はブロック時にも有効です。

ダメージ割り振り順に関係なく、先制攻撃を持つすべてのクリーチャーの戦闘ダメージから処理されるので注意。

先制攻撃の内部処理

先制攻撃については「相手より先に攻撃できる」と認識しておけばとりあえずは問題ありませんが、内部的な処理を掘り下げてみましょう。

通常、『戦闘フェイズ』では攻撃クリーチャーとブロック・クリーチャーが確定したあと、ダメージのやり取りを処理する『戦闘ダメージ・ステップ』に移行します。

この『戦闘ダメージ・ステップ』開始時、先制攻撃もしくは二段攻撃を持っているクリーチャーが戦闘に参加していると、そのクリーチャーだけが戦闘ダメージを与え『戦闘ダメージ・ステップ』が終了。

その後、追加で『戦闘ダメージ・ステップ』が発生。「先制攻撃も二段攻撃も持っていないクリーチャー」と「二段攻撃を持っているクリーチャー」の戦闘ダメージが処理される、という流れになっています。

先制攻撃クリーチャーが戦闘に参加する場合、先制攻撃を処理する「第1戦闘ダメージ・ステップ」通常攻撃を処理する「第2戦闘ダメージ・ステップ」の2つが発生するというイメージで概ね間違いはないです。

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先制攻撃の詳しいルール

先制攻撃の効果について、勘違いしがちな点や知っておくと役立つルールをまとめてみました。

ブロック時にも有効

先制攻撃という名前なのでわかりづらいですが、この能力はブロック時にも効果があります。

パワー以下のタフネス相手なら一方的に相手を破壊できるので、数で劣るシチュエーションでも抑止力として非常に強力です。

攻撃後に優先権が発生

前述の通り、先制攻撃を持つクリーチャーの攻撃は『戦闘ダメージ・ステップ』を2回行うという形で処理されます。

そのため、『第1戦闘ダメージ・ステップ』で先制攻撃の戦闘ダメージが解決された後、優先権が発生。通常の戦闘ダメージが処理される前にインスタントタイミングでの行動が可能になります。

「先制攻撃のダメージに火力呪文を重ねてクリーチャー破壊」「絆魂ブロッカーで延命狙いの裏をかく」等、コンバットトリックに活かせる知識なのでぜひ覚えておきましょう。

先制攻撃持ち同士は同時に攻撃

先制攻撃を持っているクリーチャー同士で戦闘する場合は、1回目の『戦闘ダメージ・ステップ』で同時に戦闘ダメージを割り振ります。

これは「1回目の戦闘ダメージ・ステップでダメージを与えられるのは先制攻撃を持っているクリーチャーのみ」という先制攻撃の基本ルールにのっとった裁定です。

二段攻撃と先制攻撃が戦闘を行う時も同様。1回目の戦闘ダメージ・ステップで同時にダメージを割り振り、(お互い生きていれば)2回目の戦闘ダメージ・ステップで二段攻撃のみが再度ダメージを与える。

格闘で先制攻撃は無効

繰り返しになりますが、先制攻撃は『戦闘ダメージ・ステップ』で効果を発揮する能力です。

『格闘』では機能しません。

まとめ

  • 先制攻撃は先に戦闘ダメージを与えられる能力。
  • タフネスがパワー以下の相手なら一方的に倒せる。
  • ブロック側でも有効。

基本的な活用法は上記の通りですが、ルール上の解釈もしっかり抑えておきましょう。

先制攻撃持ちのクリーチャーが戦闘に参加している場合、先制攻撃持ちのクリーチャーのみが『戦闘ダメージ・ステップ』でダメージを与え、それ以外のクリーチャーはその後に追加される2回目の『戦闘ダメージ・ステップ』でダメージを与える。

MTGアリーナで実際に戦闘してみるとわかりやすいかと思います。