二段攻撃とトランプルを持つクリーチャーの攻撃ダメージを解説【MTGメモ】

mtg 二段攻撃トランプルの解説 MTG

『マジック・ザ・ギャザリング』のルールを私自身も学びながら紹介するMTGメモ。

今回は『二段攻撃』と『トランプル』、2つのキーワード能力を持つクリーチャーが攻撃した時について解説していきます。

基本的にはトランプルの効果に則って余剰ダメージの貫通を2回行うだけですが、ブロック・クリーチャーが『破壊不能』や『プロテクション』を持っていると少しややこしくなります。そのあたりを詳しく書いたのでどうぞ。

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各能力の解説

まずは二段攻撃とトランプル、それぞれの能力が持つ効果について簡単に解説していきます。

二段攻撃について

二段攻撃は先制攻撃と通常の戦闘でダメージを2回与えることができる能力です。

具体的に言うと、二段攻撃を持つクリーチャーが戦闘に参加している時、戦闘ダメージを与える『戦闘ダメージ・ステップ』が1つ追加。

1回目の『戦闘ダメージ・ステップ』では二段攻撃と先制攻撃を持つクリーチャーのみが、2回目の『戦闘ダメージ・ステップ』ではどちらも持たないクリーチャーと二段攻撃を持つクリーチャーが再度戦闘ダメージを与える、という過程で処理されます。

実質パワー2倍かつ先制攻撃持ちなので非常に強力な能力と言えるでしょう。

トランプルについて

トランプルを持つ攻撃クリーチャーは、すべてのブロック・クリーチャーに致死ダメージを与えた上で余った余剰ダメージをプレイヤーに与えることができます。

致死ダメージ:タフネス以上のダメージのこと。

要するに「トランプル持ちクリーチャーのパワー」から「ブロック・クリーチャーの合計タフネス」(戦闘前にダメージを受けていない前提)を引いた値がプレイヤーへ貫通します。

主にパワーの高い大型クリーチャーが持っており、小型クリーチャーのブロックをほぼ無効化させる能力です。

二段攻撃+トランプルの効果

それでは、二段攻撃とトランプルを両方持つ攻撃クリーチャーがブロックされたときにどうなるのか、ブロック・クリーチャーのパターン別に解説します。

この記事では便宜上、先制攻撃の戦闘ダメージを与えるステップを『第1戦闘ダメージ・ステップ』、通常の戦闘ダメージ・ステップを『第2戦闘ダメージ・ステップ』と表記しています。
また、解説をわかりやすくするために「ブロック・クリーチャーは戦闘以外でダメージを受けていない」という前提で話を進めています。もし戦闘前にダメージを受けているなら、その値だけ戦闘時に割り振る(致死ダメージまでの)ダメージ量が減ります。

ブロッカーが1体

二段攻撃 トランプル

まずはブロック・クリーチャーが1体のみの状態から見ていきましょう。

攻撃クリーチャーが二段攻撃を持っているため、攻撃クリーチャーのみが先制攻撃として『第1ダメージ・ステップ』に戦闘ダメージを与えます。

この時、攻撃クリーチャーのパワーがブロック・クリーチャーのタフネスを上回っているなら、そのクリーチャーを一方的に破壊。さらに、トランプルの能力によって余剰ダメージをプレイヤーに与えることも可能です。

続く『第2ダメージ・ステップ』では、ブロック・クリーチャーがいなくなったので本体に直接攻撃。パワーに等しい値のダメージをプレイヤーに与えます。

トランプルを持っていない場合、先制攻撃でブロック・クリーチャーを倒しても2回目の攻撃でプレイヤーを殴ることはできない。

なお、『第1ダメージ・ステップ』でブロック・クリーチャーを破壊できなった場合は、『第2ダメージ・ステップ』でお互いダメージを与え合うことになります。

今回の攻撃と先制攻撃で与えたダメージを合わせ、ブロック・クリーチャーが致死ダメージに達したなら、余剰ダメージをプレイヤーに与えることが可能です。

クリーチャーが受けたダメージはターン終了時まで蓄積されるため、二段攻撃の1回目と2回目のダメージは合算される。

二段攻撃とトランプルを持つ攻撃クリーチャーが1体のクリーチャーにブロックされた場合、「ブロック・クリーチャーに戦闘ダメージを割り振り、そのクリーチャーに致死ダメージを割り振ったなら、余剰ダメージをプレイヤーに与える」を先制攻撃と通常攻撃で2回行う。

なお、先制攻撃でブロック・クリーチャーを破壊したとき、2回目の攻撃はプレイヤーへの直接攻撃になる。

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ブロッカーが複数体

ブロック・クリーチャーが2体以上に増えたとしても基本的な考え方は変わりません。

『第1ダメージ・ステップ』の先制攻撃でダメージ割り振り順の通りに致死ダメージを割り振っていきます。すべてのクリーチャーに致死ダメージを与えたなら余剰ダメージをプレイヤーに与え、『第2ダメージ・ステップ』は本体への直接攻撃。

撃ち漏らしたクリーチャーがいる場合は、『第2ダメージ・ステップ』でお互いに戦闘ダメージを与え合います。ここで余剰ダメージが発生したときもプレイヤーへのダメージにすることが可能です。

二段攻撃とトランプルを持つ攻撃クリーチャーが複数のクリーチャーにブロックされた場合、「ブロック・クリーチャーに戦闘ダメージを割り振り、すべてのクリーチャーに致死ダメージを割り振ったなら、余剰ダメージをプレイヤーに与える」を先制攻撃と通常攻撃で2回行う。

なお、先制攻撃ですべてのブロック・クリーチャーを破壊したとき、2回目の攻撃はプレイヤーへの直接攻撃となる。

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ブロッカーが破壊不能持ち

次に、『破壊不能』を持ったクリーチャーにブロックされたケースを解説します。

例として「7/7二段攻撃トランプルの攻撃クリーチャー」が「5/5破壊不能のクリーチャー」にブロックされている、というシチュエーションで考えてみましょう。

「破壊不能にブロックされたらダメージは貫通しないのでは……」と思われがちですが、トランプルの余剰ダメージの考え方はブロック・クリーチャーが破壊不能を持っていても変わりません。

というのも、トランプルは「すべてのブロック・クリーチャーに致死ダメージが割り振られているなら余剰ダメージをプレイヤーに割り振ることができる」という能力だからです。

702.19b トランプルを持つ攻撃クリーチャーのコントローラーは、ダメージをまずそれをブロックしたクリーチャー(群)に割り振る。それらのブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られた場合、攻撃クリーチャーのコントローラーは、余剰のダメージを、ブロック・クリーチャーと防御プレイヤーまたは攻撃しているプレインズウォーカーに選んで割り振る。

マジック総合ルール(和訳 20200925.0 版)より引用

数字上の致死ダメージ(タフネス以上のダメージ)を割り振りさえすれば、実際にクリーチャーを死ぬかどうかは関係ありません。

ですので、『第1ダメージ・ステップ』の先制攻撃ではブロック・クリーチャーに致死ダメージの5点を割り振り、余った2点はプレイヤーに与えることができます。

そして『第2ダメージ・ステップ』。

ここで重要なのが「破壊不能クリーチャーは致死ダメージを受けても破壊されないが、ダメージ自体は通常通り蓄積される」ということです。

よって2回目の攻撃では、既に致死ダメージを負っているブロック・クリーチャーに1点も割り振る必要がありません。

7点すべてをプレイヤーに与えることが可能です。

ブロック状態は維持されているので攻撃クリーチャーも戦闘ダメージを受ける。

よって、最終的に攻撃側がプレイヤーに与えるダメージは1回目2点・2回目7点の計9点となります。

二段攻撃+トランプル持ちの攻撃クリーチャーが破壊不能を持つクリーチャーにブロックされたとき、致死ダメージ(タフネスに等しいダメージ)を割り振れば余剰のダメージはすべて本体に与えることが出来る。

先制攻撃で致死ダメージを割り振ることができた場合、2回目の攻撃はパワーがすべてプレイヤーへのダメージとなる。ただし、ブロック・クリーチャーがいなくなったわけではないので、攻撃クリーチャーはブロック・クリーチャーからの戦闘ダメージを受けてしまう。

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ブロッカーがプロテクション持ち

ブロック・クリーチャーが『プロテクション』を持っていると話はさらにややこしくなります。

「7/7二段攻撃トランプルで緑の攻撃クリーチャー」が「5/5プロテクション(緑)を持つクリーチャー」にブロックされた、という設定で考えてみましょう。

プロテクションは「カッコ内の性質を持つ発生源からのダメージを軽減する(ゼロにする)」という能力。

そのため、緑のクリーチャーではダメージを与えることができませんが……

トランプルはあくまでダメージの割り振り方を変える能力です。見かけ上の致死ダメージである5点を割り振れば、余剰ダメージをプレイヤーに与えることができます。

702.19b 致死ダメージを割り振られたかどうかのチェック時には、そのクリーチャーが負っているダメージや同時に与えられる他のクリーチャーからのダメージも考慮に入れるが、実際に与えられるダメージの量を変化させ得る能力や効果は考慮に入れない。

マジック総合ルール(和訳 20200925.0 版)から引用

ただし!ブロック・クリーチャーに割り振った5点はプロテクションの効果によってすべて軽減されます。ここが最重要ポイント。

『第2ダメージ・ステップ』で再度ダメージ割り振りを行います。ですが、先程言った通りブロック・クリーチャーはプロテクションの効果でダメージを軽減済み。

そのため、ここで再び致死ダメージの5点を割り振る必要があります。

よって、最終的に攻撃側がプレイヤーに与えるダメージは1回目2点・2回目2点の計4点となります。

プロテクションによってダメージが蓄積されないということは、「攻撃クリーチャーのパワー」より「ブロック・クリーチャーのタフネス」のほうが高かった場合、2回殴っても本体には1点も与えることができない。

二段攻撃+トランプル持ちの攻撃クリーチャーが対応するプロテクションを持つクリーチャーにブロックされた時、致死ダメージ(タフネスに等しいダメージ)を割り振れば余剰のダメージはすべて本体に与えることができる。

ただし、プロテクションの効果でダメージが軽減されてしまうため、第1ダメージ・ステップで致死ダメージを割り振ったとしても第2ダメージ・ステップで再度致死ダメージを割り振らなければならない。

また、「第1ダメージ・ステップと第2ダメージ・ステップでクリーチャーに与えたダメージを合算して余剰ダメージを発生させる」ということも不可能。

まとめ

二段攻撃とトランプルを持つ攻撃クリーチャーがブロックされたときのポイントをまとめました。

  • 二段攻撃とトランプルを持つ攻撃クリーチャーがブロックされた場合、「ブロック・クリーチャーに戦闘ダメージを割り振り、すべてのクリーチャーに致死ダメージを割り振ったなら、余剰ダメージをプレイヤーに与える」を先制攻撃と通常攻撃で2回行う。
  • 先制攻撃ですべてのブロック・クリーチャーを破壊したのなら通常攻撃はプレイヤーへの直接攻撃となる。
  • クリーチャーのダメージはターン終了時まで継続する。そのため、先制攻撃と通常攻撃のダメージを合算することで致死ダメージを達成し、余剰ダメージを発生させることが可能。
  • 破壊不能を持つブロック・クリーチャーは破壊できないがダメージを与えることはできる。よって、致死ダメージを受けている状態にすれば余剰ダメージはすべてプレイヤーへ貫通する。
  • ブロック・クリーチャーが対応するプロテクションを持っていた場合、ダメージ割り振り時に致死ダメージを割り振れば余剰ダメージを貫通させることができる。しかし、割り振った戦闘ダメージは軽減されるため、先制攻撃で致死ダメージを割り振ったとしても通常攻撃で再度致死ダメージを割り振る必要がある。