ハクスラゲー『Grim Dawn』レビュー。幅広いビルドと高い中毒性

ゲームレビュー

『Grim Dawn』は2016年2月26日よりSteamで配信されている見下ろし型のアクションRPGです。

発売から1年以上経った今も盛んにアップデートが行われていて、2017年10月には大型DLCも配信されました。

公式では日本語未対応となっていますが、有志の方々による非公式日本語化ファイルが配布されています。また、日本語版wikiも非常に情報が充実しています。

本作は『ディアブロシリーズ』のようなハクスラ・トレハン要素※が強く、多種多様なスキルや装備を駆使してどんどん強くなっていく過程を楽しむゲームです。やりこみ要素が非常に高く、中毒性があります。
※ ハクスラ・トレハン:ハックアンドスラッシュとトレジャーハントの略。大量の敵をバッサバッサと薙ぎ払いつつ、レアアイテムを集めることが目的のゲームを指す。

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ストーリー・世界観

邪神の召喚を目論む「クトーン教団」の台頭、人の体を乗っ取る謎のエナジー体「イセリアル」の出現、獣の凶暴化など、のちに「グリムドーン」と呼ばれる惨劇により、人々は衰退の一途を辿りました。

プレイヤーも「イセリアル」に憑依されますが、偶然にもこれを払いのけたことで特別な力を手に入れます。

抵抗を続けるわずかに生き残った人々と共に、この陰鬱な世界を生き抜くことが目的です。

ジャンルで言うとポストアポカリプス・中世ファンタジーですが、武器として銃火器も登場します。

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ゲームシステム

アクションRPGと銘打ってはいますが、アクション性が高いゲームではありません。リアルタイムで進行するRPG、といったジャンルです。

操作はマウスとキーボード(コントローラも対応)で行います。マウスと左クリックで移動し、キーボードに割り当てたスキルを使って敵を倒すゲームです。

テクニックさえあれば敵の攻撃をひたすら避けてどんなボスも倒せるというわけではなく、育成と装備の充実が要求されます。

本作はジョブ選択制で、6種のマスタリ(DLCを導入すると8種)から2つを選びスキルを自由に覚えていきます。レベルを最大まで上げても全てのスキルレベルをMAXにするというのは不可能ですので、プレイヤーには選択する余地が生まれます。このシステムが本作に育成の楽しみと自由度の高さを与えています。

装備は宝箱もしくは敵からのランダムドロップで入手というのも特徴の1つです。店には基本的にレアリティの低いアイテムしか並びません。レベルが上がるほどにレアリティの高い装備も落ちやすくなり、このトレハン(レアアイテムを手に入れること)要素が最大の魅力と言ってもいいでしょう。

難易度は「ノーマル、エリート、アルティメット」の3種類で、ゲームクリアすることで次の難易度がアンロックされます。

エリート以降はキャラクターの所持アイテムや育成状況はそのまま、最初からリスタートすることになります。

難易度が上がっても本筋のストーリー展開は変わりませんが、新たにクエストが追加される他、レアリティの高いアイテムのドロップ率が上昇します。

周回前提のゲームバランスで、2周目のエリート以降が本番のゲームといえます。

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自由度の高い育成要素

『Grim Dawn』はプレイヤーキャラの能力に影響する要素が多く、それにより多種多様なキャラクター育成が可能となっています。

中でも特徴的なのは、「マスタリー」と「祈祷システム」、「装備」の3つです。

マスタリー

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本作では、いわゆるジョブにあたる「マスタリー」を2つ選び、レベルアップ時に付与される「スキルポイント」を自由に割り振ることで成長・スキル習得していくシステムになっています。

「スキルポイント」は「マスタリーレベル」か「スキルレベル」に振ることが可能です。

「マスタリーレベル」を上げることで基礎ステータスである属性値とヘルス・エナジーが上昇します。また、各スキルには習得するために必要な「マスタリーレベル」が設定されているため、ステータスの底上げとスキル獲得の両面で重要になってきます。

また、「スキル」にもレベルが存在しており、「スキルポイント」をさらに振ることでより強化されていきます。

『Grim Dawn』ではレベルを最大まで上げてもすべてのスキルをマスターすることはできません。現バージョンで得られる「スキルポイント」は最大で244で、二つの「マスタリーレベル」を最大にするだけでも半分弱を要します。

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一度選んだマスタリーは変えることはできませんが、「スキルポイント」と後述する「祈祷ポイント」については若干のコストを支払うことで何回でも振り直すことが可能です。

同じマスタリーでもスキルの取捨選択でガラリとプレイスタイルが変わってきます。

祈祷システム

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「祈祷システム」は、星座を構成する星々に「祈祷ポイント」を割り振ることで様々なボーナスが得られるシステムです。

「祈祷ポイント」は各地に点在する祠を修復することで獲得できます。

しかしポイントさえあれば好きな星にアクセスできるというわけではなく、星座ごとにアンロックに要する「親和性」と、星座を完成させた際に獲得できる「親和性」がそれぞれ設定されています。

「親和性」は5種類からなり、それぞれの数字の大きさは信仰度を表しています。

星座の恩恵を受けるには相応の信仰心が要求され、星座を完成させたあかつきには信仰心が上がる、というイメージです。

当然、強いボーナスを持つ星から構成される星座ほど要求される「親和性」は高く設定されています。ランクの低い星座から開放していき「親和性」を高め、よりランクの高い星座を獲得していく流れになります。

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また、高度なテクニックとして「星座が要求する親和性はその星座自身が持つ親和性で賄える」というものがあります。

例えば「ハンマー」という星座は「要求親和性:上昇1 完成ボーナス:上昇4」と設定されています。「岐路」で上昇1を獲得したあとに「ハンマー」を完成させた場合、上昇の親和性は「1+4」となります。この状態で「ハンマー」獲得の前提となっていた「岐路」を削除しようとするとどうなるでしょうか。

「ハンマー」自身の完成ボーナスで要求親和性をクリアしているため、「岐路」は問題なく削除でき、ポイントが返ってきます。「岐路」は最初から獲得できるボーナスの乏しい星のため、こうすることで「ハンマー」の完成ボーナスで開放された、よりよい星座の星にポイントを振ることができます。

しかし、そこからさらに「ハンマー」の星を1つも削除することはできません。完成ボーナスが崩れることで要求親和性を確保することができないからです。削除する場合は他の星座から原始の親和性を1確保することが前提になります。

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「親和性」を考慮しつつ自身のビルドに合った星座を開放していく、パズル要素が非常に高いシステムです。

装備

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本作は装備可能な部位が14箇所とRPGとしては非常に多い部類です。そのため装備は強さを決定づける大きな要因となります。

ただし、装備にはレベルやステータスで装備条件が設定されており、条件に満たない場合は装備することはできません。このゲームではキャラクター間でアイテムが共有できる倉庫がありますが、新しく作ったレベルの低いキャラクターが強い装備を使うことはできないようになっています。

装備にはレアリティが存在しており、低い順から「コモン、マジック、レア、エピック、レジェンダリー」の5種類があります。

当然レア度の高いものほど手に入れづらく、そして強力です。

では最終的にはレジェンダリ装備で固めることになるかというとそうでもありません。レア以下の装備にはランダムで能力が付与され、その内容によってはレジェンダリにも劣らない強さを発揮する可能性を秘めています。強力なレア品を厳選するのもゲームの楽しみ方の1つとなっているようです。

また、エピック以上には「セット装備」というものが存在します。

「セット装備」は、同セットの装備をすればするほど追加効果が得られ、セット数の多い装備をコンプリートするととてつもない能力を発揮します。

ただし『Grim Dawn』のドロップは一部のモンスター固有アイテムを除き完全ランダムなので、「この敵はこの装備を落としやすい」などということはありません。そのため、セット装備を1つコンプリートするだけでもかなりの運と労力が必要となります。

さらに各装備には「コンポーネント」と「増強剤」というものをそれぞれ1つずつ付けることが可能です。

この2つは装備に付けることで効力を発揮し、能力や耐性を上げることができます。長所を伸ばしたり短所を補ったり、最後のオプション的な存在です。しかし自由に取り外すことはできないので、希少なものを使う時にはよく考える必要があります。

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豊富な装備、そしてコンポーネント、増強剤の存在がビルドを複雑化させゲームを面白くしています。

実際にプレイした感想

アルティメットクリアまでプレイした感想をまとめました。

やればやるほど楽しくなる

難易度ノーマルはたいした歯ごたえもなくサクサクとクリアできてしまいますが、エリート以降からぐっと難しくなります。高難易度がウリのゲームなどによくある「2周目からが本番」といった感じです。

適当に組んでいたビルドをしっかりと練る必要が出てきますし、プレイングもただクリックし続けているだけでは厳しくなります。その代わりに高レア装備が出始め祈祷ポイントも増え、ビルドがより楽しくなってくるのでモチベーションも上がります

私は2週目からこのゲームにハマっていきました。やりこみ度が高いゲームです。逆に言えば周回しなきゃ楽しくないゲームなので、向き不向きが強いとも言えます。

レア装備を手に入れる→ビルドを考える、のループ

前述のように装備のドロップはランダムのため、プレイ中のキャラに合った高レア装備が出ることはなかなかありません。

しかしこれが面白い点でもあって、セット装備やレジェンダリー装備が出始めると「あのマスタリのああいうビルドと噛み合うな……」と妄想が止まらなくなります。

その結果新しいキャラを作り始めひたすらプレイし続ける、という無限ループに陥ります。

私もプレイ時間はそこそこになりますがまだ飽きる気配はありません。やり尽くしたと感じる日はまだ遠そうです。

煩雑なアイテム管理

本作は装備の総数がとても多く、管理が大変です。使う予定のないエピック装備なんかを全て保管しておこうとするとすぐに倉庫がいっぱいになってしまいます。

私も最初のうちはエピック以上の装備は保管しようとしていたのですが、すぐにやめてしまいました。アイテムコンプ向きのゲームではないと思います。

また、倉庫に検索機能がないので、セット装備の所持数の把握や今のビルドに適した装備を探すのも面倒です。

何が起こってるのかゲーム内でわかりづらい

ゲーム内で何が起こってるのかとにかくわかりづらいです。

例えばプレイヤーが敵に与えたダメージ。わかるのはそれぞれの攻撃が与えているダメージ量だけで「どのスキルのどの攻撃がどれだけのダメージを叩き出しているのか」というのはわかりません。

さらに被ダメージについては一切わかりません。そのためやられた際に「どの敵の、どんな攻撃を、どのくらい喰らったのか」というのがわからず、次に活かしづらいです。慣れてくればエフェクトでどんな攻撃をしているのか理解できますが、それでもわかりにくいのは事実です。

対策としては、とにかく非公式wikiを熟読して仕様を把握するしかありません。

ダメージ関連のログなんかを見られるようになればいいと思うのですが。

まとめ

好き嫌いが別れるタイプのゲームだと思います。

RPGのやりこみが好きな人はハマると思います。ダメージがインフレしていく様や、細かいデータが数字で見られるのでそういうのが好きな人にはオススメです。

あとカードゲームが好きな人なんかも合うかも。ビルド考えるのとデッキ考えるのは似てるんじゃないかと思います。