【シャニマス怪文書】全人類は黛冬優子をプロデュースしなければならない

アイドルマスターシャイニーカラーズ

アイドルマスター シャイニーカラーズ」の新規追加アイドル、黛冬優子。

そのインパクトのあるキャラクターでたちまち話題になり、SNSでも多くのファンアートを見かけるようになった。

しかし、「腹黒キャラ」「猫かぶり」などの単一的な属性だけで彼女を捉えてしまうのは非常にもったいない。多くの方に彼女を実際にプロデュースしていただきたい。そして彼女の人間味にあふれた魅力を知り、アイドルの高みへと導いてあげてほしい。

そこで今回は、彼女の人物像そして魅力について書くことにした。

なお、この記事は彼女のメインストーリーのネタバレが多分に含まれている。ただ、この記事を読んでからプレイを始めても彼女の魅力を損なうことはない(と思う)。

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黛冬優子という女性について

まず、彼女の人間性について端的に説明しておきたい。

自己評価が低い

彼女は、人に拒絶されることを恐れている。

もちろん「他人に嫌われても平気」だなんて人のほうが珍しいわけだが、彼女の場合は病的だ。おそらく、過去にそれでとても傷ついた経験があるのだろう。

そのためか、彼女の「自分自身」に対する評価はとても低い。

可愛いへの憧れ

そして、彼女は「可愛いもの」に憧れている。

「女児アニメが好き」というのはその表れだろう。アイドルという存在についても特別視しているようで、スカウトされた際も普段とは違う真剣な眼差しを見せた。

自己防衛のためのアバター『ふゆ』

この2つの要素によって誕生したのが『ふゆ』というアバターだ。

自己評価が低く他人の目ばかり気にしてしまう彼女は嫌われ傷つくことを防ぐため、自分とは正反対の理想の女の子『ふゆ』を演じ続けていた……というのが、僕が思うアイドルになる以前の黛冬優子観だ。

では、『ふゆ』を演じるこの彼女は、はたして猫をかぶった腹黒な人物と言えるのだろうか?

黛冬優子の『ふゆ』は偽物なのか

彼女の『ふゆ』がプロデューサーの前で崩れるのは写真撮影の仕事のときだ。

辛口カメラマンに「君の笑顔は作り物だ」と見抜かれ、黙り込んでしまった冬優子。彼女はこの撮影のあと、プロデューサーの前でこれまでの可愛らしい『ふゆ』とは全く違う『冬優子』として怒りを爆発させた。

一般的に、人の態度が豹変するとそちらこそがその人の本性だと思われがちだ。普段優しい人が激怒すると「本当は怖い人」、逆に不良が良いことをすると「実は良い奴」というふうに評価が180度変わるアレだ。

だが、「外面は偽物で普段見せない顔こそ本性」だなんて誰が決めたのだろう。

外面も内面の一部

とある高名な美人でギャルで社長なアイドルはこう言っている。

外見は内面の一番外側」だと。

それに習えば、外面は外見の次に来る内面とも言えるだろう。外面をどう繕うか決めているのも結局のところ自分自身だ。

外面の『ふゆ』も紛れもなく『黛冬優子』が持つ内面の表れのひとつである。これは彼女の共通コミュで明示されている。

アイドル活動を通して『ふゆ』を肯定する

新たな決意を胸に秘め挑んだ2回目の撮影。冬優子はここで例のカメラマンを相手に「本物の笑顔」を見せ、リベンジを果たす。

しかし、それは決して『ふゆ』という偽りの仮面を剥ぎ取り『黛冬優子』としての笑顔を見せたから……ではない。

冬優子は2回目の撮影でも『ふゆ』で挑んでいる。そして、それ以降も『ふゆ』としてアイドル活動を続けている。

ではなぜカメラマンは冬優子の笑顔を認めたのか?それは冬優子が『ふゆ』を取り繕った仮面ではなく自分の一部だと認めることが出来たからではないだろうか。

『ふゆ』を演じ続けていることへの葛藤

自己評価が低く他人からどう見られているかばかりに気を取られていた冬優子。おそらく、彼女自身も『ふゆ』として振る舞わなければいけないことに自己嫌悪していたのではないかと思う。

だからこそ、「作り物の笑顔」という指摘を図星と捉え腹を立ててしまった。

しかし、この挫折を経験した彼女は自分自身と向き合い「これがふゆ」と胸を張れるアイドルになることを決意する。

「可愛い」への憧れから生まれた作り物の『ふゆ』。それを本来の自分を隠すための手段にするのではなく、『ふゆ』も含めて『黛冬優子』なのだと肯定する覚悟を決めたのだ。

憧れはいつの日か Grow up & change 突き抜け 私達が目指すゴールへ導く
― Wandering Dream Chaser ―

偽物ではない本物の「作り物」

2回目の撮影、その日一番の笑顔を見せた冬優子に対しカメラマンは「それが本当の笑顔か?」と問う。彼女の答えはこうだ。

これも、ふゆのほんとの笑顔です」と。「」である。

自己嫌悪から生まれた自分とは正反対のアバター『ふゆ』を「これも自分が持つ本物の笑顔のひとつだ」と自信を持って、胸を張って、肯定した。

他でもない黛冬優子本人が「こうありたい」と願い作りあげた『ふゆ』。それは「作り物」かもしれないが「偽物」ではない。間違いなく黛冬優子を形作る「本物」のひとつに違いないはずだ。

強く願えたら それはもう 本物だよ!
― Spread the Wings!! ―

黛冬優子は腹黒なのか

と、僕から見た黛冬優子像を述べてみたが、あくまで考察は考察でしかない。

やはり、『黛冬優子』は冬優子本人の言葉から直接理解するべきだろう。彼女の本質は共通コミュの「諦めたくないものはひとつだけ」ではっきりと描かれている。

これは1回目の写真撮影のあとプロデューサーと喧嘩別れをした次のコミュだ。

挫折を経てたどり着いた本音

冬優子は自分自身と向き合った結果、アイドル活動が心から楽しくなってきていたことを教えてくれる。

そして、これが自分なんだと胸を張れるアイドルを目指すため、もう一度本気でアイドルに挑戦したいという本心を語ってくれた。

自分に自信が持てず逃げ続けてきた彼女が、覚悟を決めてついに本音を語ってくれたのだ。

自分で自分を認めてあげられる人間になりたいと。

プロデューサーの返答を待つ彼女は今にも泣き崩れてしまいそうなほど張り詰めている。はたして彼女がこの本音を絞り出すのにどれほどの勇気が必要だっただろうか。

この告白を受けて、彼女のこの表情を見て、プロデューサーとして奮い立たない人間がいるのだろうか?

いや、いない。

腹黒さの欠片もない彼女の泣き顔

そして、彼女の告白を受けてのプロデューサーの選択肢。これは朝コミュではないので別に正解の選択肢というものはないし、三様の彼女のリアクションが見られるのでアルバム機能から是非すべて確認しておくべきだろう。

僕が今回紹介しておきたいのは「おかえり」を選んだ場合の彼女の反応だ。

自らの決意を優しく受け入れてもらえた彼女の感情は爆発。子供のように泣きじゃくりながら過去の言動を謝罪し、素直な感謝の気持ちを述べてくれる。

ありがとう」と。

そして、コミュは終わる。そう、これで終わるのだ。

もしも彼女が打算的で腹黒な人間であったのなら、オチとして「……な〜んて、簡単に女の子の涙に騙されるんだから。泣き真似も上手いでしょ?」的なセリフが続いたかもしれない。(もしそういう台詞があったとしても照れ隠しを含んだ発言ではあると思う)

だけど彼女がそれを言うことはなかった。このルートでは最初から最後まで、100%『黛冬優子』の本音でプロデューサーにぶつかり感情を爆発させた。

このコミュを経て、玉のように美しい涙を見て、母親と再会できた迷子のごとき嗚咽を聞いて、それでもなお彼女が「腹黒」だとか言える人間がいるのだろうか?

いや、いない。

もしも地球上にひとりでもそんな人間がいるのなら人類はゼロからやり直すべきだろう。

黛冬優子は、純粋でかつて猫かぶりだった

黛冬優子は腹黒か?」という質問に対する僕の答えはノーだ。

そもそも「腹黒い」とは、心の中に悪巧みや陰謀をもっていることを言う。

彼女の場合は純粋すぎるがゆえに傷つきやすい自分を守るために『ふゆ』を演じていた。『ふゆ』を作った理由は「嫌われたくないから」であり『ふゆ』を形成しているのはあくまで彼女が持つ憧れや理想だ。なのでそこに打算や悪意はないはずだろう。(可愛い女の子を演じているので結果的にチヤホヤはされていると思うが)

また、アイドルになってからもファンを意識している発言が端々に見られ、そこから彼女が本来持っている真面目さや誠実さが感じ取れる。

口が悪いというのは事実だ。だが決して悪い子ではない。一言で言い表すなら「いい性格してる女」が適切ではないだろうか。

黛冬優子は猫かぶりか?」に対しては「かつてはそうだったかもしれない。しかしアイドルを始めたことでその猫もひっくるめて自分だと認められるようになった」と答える。

そう、彼女の葛藤はプロデューサーによって救済される。

だから、君は黛冬優子をプロデュースしなければならない

これまで書いてきたのことは全て僕から見た黛冬優子像に過ぎない。他の人にはその人なりの、大げさに言えば地球上に70億通りの黛冬優子像があるはずだ。

ただ、その全てに共通して言えるのは、彼女はプロデューサーにスカウトされてアイドルの道に進まない限り、理想と現実のギャップに苛まれながら自分を偽り続ける、ということだ。

彼女は君のプロデュースによって偽りの自分『ふゆ』を肯定できるようになる。そしておそらく、本来の自分『冬優子』も君とストレイライトのメンバーによって肯定できる日が来るはずではないかと思う。

君の黛冬優子は君のスカウトを今も待っている。

あとがき

というわけで愛依の次は冬優子について書いてみました。

怪文書と銘打ってみましたがなんか中半端な感じですね。もっと「俺だけが冬優子のことをわかってる」的なノリにしたかったのですが。

彼女の共通コミュはドラマチックな内容ですっかり入れ込んでしまいました。なんというか、「プロデュースしなきゃ」という使命感がすごく湧きます。

このままの勢いであさひについても書きたいのですが、彼女については計りかねているというか未知数な点が多くて難しい。ストレイライトのセンターということもあり、イベントコミュの展望とかそういう妄想を並べるだけになりそうなので、だったらイベント来てから書こうかなと思います。

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