キアヌ・リーブス主演のアクション映画『ジョン・ウィック』がAmazon Prime入りしていたので視聴しました。
Twitterの映画好きの方からもなかなか好評の映画らしく、よく勧められるシリーズの1つだったので、わりと期待して観たのですが率直な感想としてはイマイチ。
アクション映画とはいえ展開がお粗末だなぁという印象が強かったです。
導入はオーケー
愛車と亡き妻の形見である犬をマフィアに奪われた元伝説の殺し屋が、復讐のために再び武器を取りマフィアと戦争をおっ始める……というのが物語の始まり。
この導入について「たかが車と犬でそこまで〜」的な意見をレビューサイトで見ましたが、個人的にここは問題ないと思います。
人の価値観はそれぞれですし、なにより「ジョンにとって犬と愛車がどんな存在なのか?」という描写はされています。
そこに突っ込むのは野暮という反論が一応通るレベルではあるはずです。
強いんだか弱いんだかよくわからないジョン
さて、運悪くも盗みを働いた相手が伝説の殺し屋だったマフィア側は大慌て。
ジョンの全盛期を知るパパ・ヴィゴが彼の武勇伝を恐ろしげに語るなど、これからジョンがどんな大立ち回りを見せてくれるのかと期待が高まりますが……。
このジョン・ウィック、言うほど強さを感じさせてくれない。
いや、もちろん強いんです。最終的に数十人を相手にして生き残っているわけですから強いに決まってるんですが、わりといつもギリギリの戦いで、いわゆる無双するタイプではありません。
かと言って策謀を巡らすわけでもなく無策でガンガン突っ込んでいきます。
序盤、怪我を負ったことに対し「ブランクがあるから」と返すシーンがあったので、話が進むに連れ全盛期に戻っていくのかな?と思いながら見ていたのですが、結局最後まで満身創痍な戦い方で肩透かしを喰らいました。
話の都合で甘くなる主要キャラ達
ジョンは復讐に燃えているので、基本邪魔する人間は容赦なく殺します。
特にモブ達との殺陣が一番の見どころ。無力化すればOKなんて甘さは一切なく、1人残らず流れるように仕留めていきます。
床に叩きつけてからズドン。腹を撃って動きを止めてからのヘッドショット。首締めで意識落としてからのトドメ……といった感じで、殺人にためらいがありません。
そんなジョンですが、相手が主要キャラだと様子が一変。
知り合いの女殺し屋もヴィゴも殺すチャンスがあったのになぜか見逃します。結果、協力者2人は死に自身も窮地に。
生かしておけばまた襲いかかってくるなんてわかりきってるのに、なぜ殺しておかないのか……。
知り合いだから甘さが出た?いや、すべてを失い復讐の鬼と化した最強の殺し屋がそんなためらいを見せるはずがない。
これは相手側も同じで、一度ジョンを捕らえたヴィゴが確実に仕留めておくのを怠るなど、なにやってんだと突っ込まざるを得ない。
よくアクション映画などで「頭空っぽで観れる」という評価がありますが、アレって「破綻のないストーリーライン」が条件なんですよね。自然とツッコミどころが見つかるレベルの脚本だと頭空っぽを維持できない。
肝心のアクションも…?
個人的にはアクションシーンも「ん?」となるシーンが度々ありました。
銃や格闘は全くの素人なので具体的な指摘は出来ませんが、なんというかかっこよくないというかバタバタしてるというか。
銃の構え方も、多分アレが当てやすいリアルな構えなんでしょうけど映画として見ているとやっぱり地味。ここは好みが別れるところだと思いますが。
まとめ:シリアスなコメディアクション映画!?
感想を書いていて気づきましたが、もしかして私、この映画の見方を間違えているのかもしれません。
もしかしたら『ジョン・ウィック』はコメディ映画なのでは……?
今思い起こすと、ところどころシリアスな笑いを誘っているようなシーンがあるんですよね。
例えば犬。この映画では「愛するモノを奪われた男が復讐に燃える」という展開のために存在していますが、この犬が殺されるのはジョンと出会ってたった数日後の話です。
「愛するものが奪われた」って展開ならもっと何年もかけて愛を育んだ過程を、ざっとでいいから描くはず。
なんなら別に犬である必要もなくて、奥さんが殺されたって展開でも話は成り立つんですよ。闇社会から足を洗ったが敵対していたマフィアから報復として妻を殺された……のほうが真っ当です。
出会って数日の犬が元所属のマフィアのボスの息子に殺されるって……もしかしてギャグ?
ラストのヴィゴとの一騎打ちの導入も雑すぎて「もしかして笑うところなのか……?」って思いながら見てました。
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