『Slay the Spire』は現在Steamでアーリーアクセスで販売されているゲームです。日本語版あり、毎週バグ修正やバランス調整のアップデートが行われていてサポートも手厚く完成版リリースまで期待が持てます。
「ローグライク+TCG」といった感じでカードがコマンド代わりになっており、デッキを強化していきながらダンジョンを踏破するのが目的のゲームです。
構築の面白さと程よいランダム要素が相まってとても中毒性が高く、私もハマってしまいました。
カードゲーム好きの方ならこういったカードの効果を見ただけでワクワクしてくるのではないでしょうか。
このゲームについて
本作はカードを使ったバトルでダンジョンを突き進んでいくゲームです。
3人いる主人公の中から1人を選びプレイします。開始時の所持カードは主人公ごとに固定されており、ダンジョン内で新たなカードやレリックと呼ばれる強化アイテムを入手することで成長していきます。
前述の通りジャンルとしてはローグライクで、
- シングルプレイ専用
- ランダム生成ダンジョン
- ランダムドロップによる成長
- ターン制でじっくり考えられる戦闘
- 死んだらゼロからやり直し
といった要素があります。
ワンプレイは慣れれば1時間程度で終わります。ローグライクとしては短めで気軽に1戦できます。
ダンジョンはマスをクリックして進んでいく方式で、1マスごとに必ずなんからのイベントが発生するようになっています。ダンジョンは全3階層で各階層の最奥にボスがおり、第3階層のボスを倒せば晴れてゲームクリアです。ダンジョンは分かれ道も多く、ルート取りも攻略の重要な要素の1つになっています。
戦闘システム
戦闘の流れはオーソドックスなターン制PRGのものに近いです。プレイヤーと敵が交互に行動し、敵全員のHPをゼロにすれば勝利、逆にプレイヤーのHPがゼロになればゲームオーバーとなります。残りHPは持ち越しで、レベルや経験値の概念はありません。
戦闘に勝利すると報酬としてカードが貰えます。ランダムに選出された3枚のカードから1枚を選べます(カードを取らない、という選択肢もあります)。また、消費アイテムのポーションやレリックがドロップすることもあります。
ターンの流れ
まず、自ターンの開始時にシャッフルされたライブラリ(山札)から5枚を手札として引きます。戦闘における攻撃・防御・バフデバフ等々の行動は全てこのカードを使用することで行います。
カードにはそれぞれコストが設定されておりプレイヤーのエナジーを同じだけ消費することで使用できます。プレイヤーの初期エナジーは「3」なのでコスト1のカードなら3枚使えますし、コスト3のカードならその1枚で行動終了となります。当然コストが高ければその分強力な効果を持っています。
敵キャラの頭の上には次ターンの行動が表示されています。数字が表示されていれば攻撃を意味し、数値がダメージ量です。ですので敵の動きを考慮した上でカードを選ぶことができます。
エナジーがなくなるもしくは手札がなくなったら自ターン終了となり、敵のターンに移ります。この際、使わなかった手札も全て墓地に行くので、カードを使用せずに取っておくということはできません。
敵の行動が終わり再度自ターンが回ってくると、エナジーは最大まで回復しライブラリからカードを5枚手札として引きます。ライブラリが5枚未満の場合は墓地のカードが全てライブラリに戻るので、いわゆる「ライブラリ切れで負け」というものはないです。
本作の戦闘には「逃げる」に相当するものはありません。どちらかが全滅するまでターンを繰り返します。
ダメージのやり取り
本作におけるダメージ計算は非常にシンプルです。ダメージの数値がそのままHPの減少値となります。
ただし、防御側が「ブロック」を持っていると話が変わります。ブロックの値だけダメージ値が相殺されダメージが減少されます。ダメージの値がブロックを上回っている場合はその差が最終的なダメージとなり、逆にブロックの値がダメージより大きかった場合はブロック値の減少のみとなり、HPは減少しません。
原則としてブロック値は相手ターン終了時に消滅します。これはプレイヤーも敵も同じです。
左側の盾マークの数字が現在のブロック値です。
カード
カードは大きく分けて以下の3種類があります。
- アタック:ダメージを与えることを主としたカード
- スキル:ブロックの取得、カードドロー、バフ・デバフの付与等々様々な効果があるカード
- パワー:プレイヤーに永続的な効果を与えるカード
パワーは若干特殊で、一度使うと消滅しその戦闘中はもう使うことはできません。同じパワーのカードを複数枚所持していれば重ねがけすることはできます。
また、カードにはアップグレードという概念があります。アップグレードすることでカードの効果が強くなったりコストが軽くなったりします。これは上位版のような扱いで、同じカードを何回もアップグレードするということはできません。
レリック
レリックは所持しているだけで効果を発揮するアイテムです。カードとは違い戦闘外で役立つものもあります。
所持制限はなく、基本的にたくさん持つほど有利にゲームを進められます。ただし強力なレリックにはデメリットが含まれていることもあるので取得の際は注意が必要です。
本作のキモ、ビルド
ビルドとは装備やスキルの組み合わせのことで、本作ではカードとレリックの構成を指します。一般的なローグライクの武具と同じでどちらも入手はランダムです。
「カードもレリックも入手がランダムなら結局運ゲーじゃないの?」と思われるかもしれませんが、運とプレイヤーの実力の絶妙なバランスが本作の中毒性の高さを成立させています。
「シレン」で序盤にどうたぬきを拾ったら一気に攻略しやすくなりますが、このゲームではどんな強力なカードもデッキの内の1枚に過ぎません。デッキのバランス、レリックとのシナジー、戦闘でのプレイング、そして多少の運。全てが攻略の重要な要素です。
最初のうちは第1階層を突破するのも困難ですが、上手くなるとかなり安定感が出てきます。毎回同じビルドにすることはできないので1、2回クリアしたところで飽きは来ません。また、アセンションモードという高難易度設定もあるのでゲームに慣れても歯ごたえのあるプレイができます。
上達する過程も上達してからも楽しい、ローグライクの良さが詰め込まれているゲームです。
攻略のコツ
攻略のコツのようなものを考えてみました。
第1階層は積極的にカードとレリックを集める
初期デッキの「ストライク」「防御」は弱く、上位互換となるカードがたくさんあります。まずは雑魚と積極的に戦ってカードを集めましょう。また、レリックはビルドの方向性を決める上で大きな指針になります。勝てばどちらも貰えるエリートとの戦闘も重要です。
この段階でビルドが固まれば理想ですが、とりあえず平均的に攻守のカードを集めておけばある程度は進めます。あと、全体攻撃のカードを1枚は確保しておくと役立ちます。
第2階層でビルドを固める
このあたりでビルドの方向性を固めてカードの取捨選択を考えていきましょう。まぁ固めたところで予定通りに行かないのがこのゲームでそれをどう切り盛りするかがこのゲームのキモですが。
第3階層は戦闘は避け気味に
第3階層の敵は強いので無理せずボスまで行ったほうが得策です。ボスを倒せばクリアなのでHP全快の状態で向かうつもりでルート取りしましょう。
HPはコスト
HPを大事にしすぎるとカードやレリックを集めることができません。コストと割り切ってエリートとの戦闘もHP消費で何かが貰えるイベントも積極的にこなしましょう。
エリートは下手に防御していると逆に消耗することもあるので、キャンプで回復すること前提で殴りに行くことも考えましょう。エリートの後ろにキャンプがあるルートは安定します。
階層のボスを倒せば全回復するので、HPギリギリでボスを倒すぐらいが理想の展開とも言えます。
デッキ圧縮
弱いカード、シナジーのないカードは持っていても使うタイミングがないどころか、デッキを圧迫し使いたいカードの循環を妨げてしまいます。余計なカードを取らず、カード削除は積極的に行いましょう。
カードを削除する機会は限られています。ショップではカード削除を優先するとかなり安定します。「ストライク」と「防御」はガンガン削除していきましょう。
神格化は強い
カード性能は今後変わってくることもあるのであまり触れませんが、この「神格化」というカードはどんなデッキでも圧倒的に強いです。見かけたら絶対取りましょう。
強敵の対処
バフをどんどん盛る・状態異常カードをばらまく敵は長引けば長引くほど危険なのでガンガン攻撃していきましょう。多少ダメージを貰うのは仕方ありません。
スライムはHP半分で分裂し、分裂時のHPがそのまま子スライムのHPになります。うまく半分手前で調整してできるだけダメージを与えた状態で分裂させましょう。
実際のクリア例
私がサイレントでクリアした時のビルドを載せておきます。
序盤で「戦闘開始時に弱体を与える」レリックと「天賦(初期手札に必ず来る)の強力な攻撃」カードが手に入ったので、1ターン目でガンガン攻めてそのままアドバンテージを守り切る、ような感じで構成していきました。サイレントはスターターレリックで初期手札が7枚ので相性はいいです。
さらに「アタック獲得時アップグレードする」「ブロックなしの時6ブロック取得」レリックが手に入ったので、ブロックは後者のレリック任せでガンガン殴るデッキになりました。
「騙し討ち」で序盤大きなリードを作り、脱力(攻撃力ダウン)が付いているアタックを振りつつ殴り勝つ、という感じです。強力だが使用条件が難しい「グランドフィナーレ」は「保留」(手札から1枚保留できるパワー)とドローカードを組み合わせることで安定して使うことができます。
まとめ
Steamで1000円前後で買える定番良ゲーの1つに入る作品だと思います。最近3人目のキャラが追加され、ますます遊び尽くせないボリュームになっています。完成が待ち遠しいです。