BOSEの『QuietComfort 20』レビュー。イヤホンでも高品質なノイズキャンセリング機能

電化製品

私は普段、家で動画を見たり音楽を聴いたりする時にはヘッドホンの『QuietComfort 15』を使用しています。

毎日長時間ヘッドホンをつける人間なのでとにかく耳への負担が少ないものにしたい、と探し求めてたどり着いたのがこのヘッドホンです。

耳全体を覆うオーバーイヤー型なので耳や耳の穴への負担がなく、長時間の装着も問題はありません。また、ノイズキャンセリング機能により快適に音声を楽しむことができます。雑音に邪魔されないので音量を抑えめにしてもしっかり聴こえ、鼓膜に優しいというのも大きなポイントです。

と、かなりべた褒めしていますが、ひとつ問題点もあります。

ヘッドホンは夏場には向いていないということです。多少冷房を入れていてもどうしても耳が蒸れ、耳の周りだけ汗ばんでしまいます。

なので今回、夏用として同じBOSE製でイヤホンタイプの『QuietComfort 20』を購入してみることにしました。

ヘッドホン派でイヤホンはあまり好きではないのですが、外出用に使っている『SoundSport wireless headphones』でつけ心地の良さは実感済みです。ノイズキャンセリング機能もついており、インナーイヤー型ながら遮音性・静音性で期待が持てます。

今回は本機のレビューに併せ、ヘッドホンタイプのノイズキャンセリングと性能を比較してみたいと思います。

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QuietComfort 20の見た目と仕様

色はホワイトとブラックの2種類。また、Android用とiPhone/iPad用にも分かれているので購入の際は普段使っているスマホやタブレットに合わせて選ぶ必要があります。
音を聞くこと自体はどちらでも可能ですが、アプリやコントロールモジュールでの操作が使えない可能性があります。

私はAndroid用の黒を注文しました。そして実際に届いたものがこちらです。

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同梱物は以下の通りです。※USBケーブルが写ってませんがちゃんと入ってました。

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  • イヤホン本体
  • 充電用USB Micro-B ケーブル
  • 交換用イヤーチップ(S・Lサイズ)
  • ポーチ
  • 説明書類

バッテリー

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まず目を引くのはケーブル上に存在する謎の四角い物体ですが、これはバッテリーです。本機のノイズキャンセリング機能を使う場合にはこのバッテリーに充電する必要があります。

大きさはミンティアのケースが少し細長くなったぐらいです。

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青い部分が電源スイッチです。有線イヤホンなので電源オフの状態でも使用可能です。

また、スイッチとは反対側の側面にUSB差込口がついており、充電はここから行います。対応USBはスマホなどでも主流のMicroケーブルです。

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2時間でフル充電、最大稼働時間は16時間と、大きめのバッテリーがついてるだけあって大容量です。

コントロールモジュール

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こちらはコントロールモジュール。音量調整、曲送り・戻し、一時停止など基本的な操作がこちらで行なえます。イヤホンにこういったリモコンがついているといちいちスマホを取り出さなくてもいいので地味に便利です。

側面にある青いボタンは「Awareモード」切り替え用ボタンです。

Awareモード

「Awareモード」をオンにするとノイズキャンセル機能を切ることができます。場内アナウンスなど周囲の音が聞きたくなったときなどにすぐスイッチできるので助かります。

本機はノイズキャンセリング機能の他に「Active EQ」という音質を向上させる機能が付いており、この効果はそのままにノイズキャンセルだけ切る、ということができます。(バッテリー側の電源をオフにしてしまうとこの機能も切れ音質が低下してしまう)

イヤーチップ

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耳に装着するイヤホン本体部分です。羽根のようなものがついた特徴的な形をしています。これはBOSEが開発した独自規格の「StayHear+チップ」です。

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シリコン製で柔らかく弾力もあるこの羽根の部分が耳の溝に優しくハマり装着の安定感が高まります。

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また、耳の穴に当たる部分が円錐状になっていて、穴全体を塞ぎ遮音性が向上されます。

インナーイヤー型の欠点である「外れやすい」「遮音性が低い」という問題をどちらも解消しているのがこの「StayHear+チップ」の魅力です。

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元々付いているMサイズのチップの他に予備としてSサイズとLサイズも同梱されています。大きさが合わなかった場合もわざわざ買い足す必要はありません。

携帯用ポーチ

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未使用時に安全に保管できるポーチも標準装備されています。

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イヤホンと言えど数万円する精密機器です。断線はつきものですし、ノイズキャンセリング機能がある分壊れやすい可能性もあります。頻繁に使うものなので日々の使い方で寿命が大きく変わってきます。その上で、専用ポーチを同梱しているのはユーザーのことをよく考えてくれている証拠だと思います。

QuietComfort 20を使ってみた感想

実際に使用してみて思ったことをまとめてみました。

良かった点

  • ノイズキャンセリングの質の高さ
  • つけ心地の良さ
  • バッテリーの持ちが良い

ノイズキャンセリングの質の高さ

肝心のノイズキャンセル効果ですが、こちらは想像以上に良かったです。普段ノイズキャンセリング付きのヘッドホンを使っている私からしても不満はありません。

イヤホンをした状態で電源をつけるとそれまで聞こえていたノイズ、電子機器の稼働音、風の流れるような音がピタッとシャットアウトされます。周囲の話し声なんかも一枚デジタルなフィルターに通したような感じになって音量が下がります。

さすがに雑音が全く聞こえなくなるというわけではありませんが、本機はイヤホンなので音楽を流した状態で真価を発揮します。

音楽を再生すれば自動者の走行音や電車の揺れる音、他人の会話もほとんど聞こえなくなります。ノイズキャンセリング機能の「ノイズに邪魔されずに音楽を楽しめる」「音量をむやみに大きくする必要がない」といったメリットを大いに感じることができると思います。

また、「Awareモード」も非常に便利です。ワンボタンで音楽を止めることなく環境音を聞き取れるようになるのでストレスがありません。

現在使用しているヘッドホンの『QuietComfort 15』との違いは何も音を流していない時の状態でしょうか。ヘッドホンだと「スー…」程度ですが「ブーン…」というノイズキャンセリングを行っている特有の音が大きく聞こえます。

つけ心地の良さ

同社の他製品でも感じましたが、BOSEが採用しているStayHear+チップはとてもつけ心地が良いです。

耳に優しくフィットして、イヤホンを付けているという違和感も長時間つけていて痛むこともありません。かといってすぐ取れやすいというわけでもなく、つけやすさと外れにくさの塩梅がとてもうまくできています。

遮音性もインナーイヤー型としては高いほうだと思います。カナル型に負けない実用性を兼ね備えていると言っていいでしょう。

バッテリーの持ちが良い

フル充電で16時間はかなり頼もしいのではないでしょうか。ワイヤレスヘッドホンと比べてもかなりの大容量です。

週5の通勤・通学に使うと考えても1日あたり3時間ちょっとまで使えます。週1の充電で済むというのはかなり楽で良いと思います。

気になった点

  • バッテリーがじゃまになる
  • 電源オフ時の音質
  • 充電状態だとノイズが入る

バッテリーがじゃまになる

ケーブル上に存在するバッテリーですが、軽量化・小型化しているとはいえやはり邪魔になることも事実です。

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最近は音楽プレイヤーにスマホを使用している人がほとんどだと思います。電車などでもスマホで音楽を聞きつつスマホをいじってる方をよく見かけますが、この使い方だとバッテリーがブラブラしているのはかなり気になります。軽いとはいえケーブルに負担がかかりそうなのでスマホと一緒に握る持ち方にせざるを得ないと思います。

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バッテリー切れ・電源オフ時の音質

『QuietComfort 20』は3種類の使い方ができます。

  1. バッテリー切れ・電源オフの状態
  2. 電源をつけた状態
  3. 電源をつけた状態で「Awareモード」

問題は電源が付いていない状態の時で、この状態は音量が弱くなり音質も低下します。これはこのイヤホンがノイズキャンセル機能の他に「Active EQ」という音質を向上させる機能も備えているからです。当然電源オフではこの機能も切れます。

仕様上は電源オフでも使うことは可能ですが、その場合だと正直並のイヤホンです。実際このイヤホンを使うのであれば充電は必須と言えます。

充電状態だとノイズが入る

これは主に自宅で使用する方にとっての問題点です。

この製品に限ったことではありませんが、USBケーブルでの充電中だと「ジジジ…」という小さなノイズが入ります。音楽など常に音が鳴っているものを聞いている時は個人的には気になりませんが、人によっては問題になると思います。

ですので、自宅のPCなど決まった場所で使う場合でもUSBケーブルつけっぱなしにしておくのはあまりおすすめできません。使用していない時に都度接続して充電する必要があります。

QuietComfort 20のまとめ

  • イヤホンながら高い遮音性と静音性
  • 充電が16時間と長持ち
  • 外付けバッテリーに注意

やはりノイズキャンセリング付きはとても良いものです。私は外出時にはノイズキャンセリング機能のないワイヤレスイヤホンを使っているのですが、こう比較してしまうと物足りなさを感じてしまいます。「音楽を楽しむ」という本来の目的を十分に味わえると思います。

ノイズキャンセリングイヤホンとしての性能は文句なしなんですが、ワイヤレスに慣れてしまった自分からすると有線かつ外付けバッテリーの存在はかなり気がかりです。

BOSEにはワイヤレスでもノイズキャンセリング機能がついているイヤホンがあります。有線と無線の仕様を把握した上で自分の用途に合ったものを選ぶと良いと思います。

本機は有線なので遅延がなく、バッテリー容量も大きいです。なので例えば「良い環境で遅延なくスマホの音ゲーを楽しみたい」「ノイズキャンセリング機能を使ってみたいが充電回数は抑えたい」「音楽プレイヤーにスマホ以外のものを使っている」なんて方にはオススメです。