平沢進『回=回』感想。衰え知らずのヒラサワイズム

音楽

遅ればせながら平沢進(核P-MODEL)の新譜『回=回』を購入しました。

ジャケットデザインからしてイカしてます。

「遮眼大師」の試聴の段階からかなり期待していたのですが、なんとなく買うタイミングが出ずに今更の入手となりました。

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聴いてみた感想

期待通り良曲のオンパレードでした。ヒラサワ名義より核P-MODEL名義の方が好みにあっているのかも知れません。

平沢進さんの曲の魅力って「アクが強くてとても独特だけど曲自体はちゃんと「歌」している」ところだと私は思っています。なんというか、聴いていると思わず歌いたくなる曲ばかりじゃないですか?それで実際口ずさんでみるとすごく気持ちいいんですよね。

まぁ、ヒラサワさんの作曲能力はもはや疑うべくもないのですが今回驚いたのは声の衰えのなさですね。60代とは思えない声のハリ、裏声の美しさです。

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曲別の感想

『回=回』を聞いて感じたことや思ったことを楽曲別に書き連ねてみました。

なお、私はアルバム全体のテーマよりも言葉の響きやフレーズ単位の美しさ、何より聴いていて気持ちいいかに重きを置いています。そのため曲の考察や解釈をする気はあまりありません。

回=回

アルバムの先陣を切る曲でありアルバムと同タイトルのインストゥルメンタル。

『回=回』の意味は「同じところをグルグル回り続けている」とうことでしょうか。エレキギターが同じフレーズをひたすら繰り返している曲です。

遮眼大師

改めて聴き直してまず気づいたのがイントロが『Gipnoza』に似ているということ。そして「ララバイ説法」から始まる歌詞。これも一種の催眠ないしは洗脳を歌っているのでしょうか。

曲自体は静と動・緩急が効いていて心地いいです。Bメロ後に急にテンポが変わりほぼアカペラで同じフレーズを繰り返し、更にとどめの「をっ」と「噛む」でとにかく素直じゃない感じ。

サビは歌詞こそ同じものの非常にパワーのある曲調になり、ヒラサワ感のある構成だと思いました。

「終始世に憂慮」と「周囲皆窮鼠」との韻の踏み方も格好いいですね。

OPUS

歌詞はフレーズ単位ですら全く意味がわからない。ただ、仮想世界というか大敗的なサイバーパンクみを感じる。陰鬱とした「TOWN-0 PHASE-5」とでも言うべきか。

今敏さんの漫画がモチーフになっているらしいのでそれを読んでいたらもうちょっとしっくりくるものがあったかもしれません。

TRAVELATOR

比較的テーマがわかりやすい曲。

ただ「ヒューマンレイス」が「Human Race(人種)」、「Human Wraith(人類の亡霊)」のどっちなのか。まぁダーウィンという単語も出ていますし素直に考えれば人種のことなんですけど、カタカナ表記であることに意図がありそう。最後の「New Mankind」は英語ですし。

「失笑するダーウィン」でも「ダーウィン失笑」でもなく「失笑ダーウィン」とするところがヒラサワっぽい独特の感性だと思いました。

曲としてはかなり平坦なタイプ。でも聴いていて飽きは来ないです。

亜呼吸ユリア

タイトルからして全く意味のわからないですね。というかユリアと言われると北斗の拳しか出てこない。

その分フレーズの美しさというか与えてくるビジョンが強い。

  • シダの葉よりなお蒼く光る思念のユリア
  • 俄かに咲く茫然と自失の花ユリア

平沢進のウィスパーボイスでこんなフレーズ囁かれるとたまらんですね。

「何万回の〜」やサビの「生まれる光の〜」あたりのリズム感が好きです。

無頭騎士の伝言

これも意味不明。頭がないということは脳みそが無い、思考ができない、思考停止ということでしょうか。

全体的に音が飛び跳ねているような感じでノリが良いです。

ECHO-233

平沢進名義っぽい曲。でもピコピコ電子音が多めで音の作り方なんかはちゃんと核P-MODELです。

  • 幾重にも覆う層の呪詛燃やす火はエコー
  • 終らぬ夢魔に来てカギを解く幻
  • つんざくような雷鳴がキミを万象に見つけ 何度も来る警報がキミは万象と響く

ヒラサワ氏の歌唱と相まって言葉の美しさがすごい。

幽霊飛行機

曲の雰囲気が論理空軍っぽい?論理に対して幽霊なので真逆ですが。

イントロからノリが良く曲の構成がとにかく飽きない。AメロとBメロでガラッと雰囲気変えてくるし、Cメロのためからのサビの爆発感も気持ちいい。アトラクションみたいな曲だと思いました。

PLANET-HOME

アルバムラス前という感じの曲。

加工なし?の独特な歌い声の「HOME」から始まるこの曲は少し陰鬱としているけど、絶望の中に希望を見い出している、少し救いのあるような印象を受けました。歌詞の意味を自体理解できたわけではないけど。

「開ける野辺への道しるべ」の部分が語感もリズムも言葉から来るイメージもとにかくキレイで好きです。

HUMAN-LE

聴いていてなぜか頭をよぎったのがメタルマックス2の「Dr.ミンチに会いましょう」。なんというか、スーファミ時代のアジアンテイストある曲という印象を受けました。

ラストを飾る曲だけあってイントロからして爽やかでエンディング感があります。Aメロの入りも気持ちがいい。

今回のアルバムで1番ついリピートしてしまうのがこの曲でした。

歌詞については理解できそうで理解できていない状態ですが、束縛からの開放や救済というイメージが沸いてきてなにか心を揺さぶられますね。

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